ピアズ(7066)の上場が承認されました。
SMBC日興証券が主幹事のIPOなので、株価が予想以上に高騰することもありそうです。
展開する事業がはコンサルティング事業のみとなっています。詳しく確認していきましょう。
基本データ
会社概要
会社名 | 株式会社ピアズ |
---|---|
市場 | 東証マザーズ |
URL | https://peers.jp/ |
設立 | 2002年6月14日 |
上場スケジュール
仮条件決定日 | 6月4日(火) |
---|---|
ブックビルディング | 6月5日(水)~6月11日(火) |
当選者発表 | 6月12日(水) |
申込期間 | 6月13日(木)~6月18日(火) |
上場日 | 6月20日(木) |
価格&マーケット
想定価格 | 3,820円 |
---|---|
仮条件 | 3,220円~3,620円 |
公募価格 | 3,620円 |
吸収金額 | 17億円 |
---|---|
時価総額 | 83億1,000万円 |
株式関連データ
当選株数
発行済株総数 | 2,175,000株 |
---|---|
公募株数 | 207,000株 |
売出株数 | 179,500株 |
OA売出 | 57,900株 |
合計当選株数 | 444,400株 |
引受証券会社
証券会社 | 株数(株) | 比率(%) |
---|---|---|
SMBC日興証券株式会社 | 168,800 | 81.55 |
大和証券株式会社 | 11,500 | 5.56 |
みずほ証券株式会社 | 9,600 | 4.64 |
東海東京証券株式会社 | 5,700 | 2.75 |
株式会社SBI証券 | 3,800 | 1.84 |
岩井コスモ証券株式会社 | 3,800 | 1.84 |
楽天証券株式会社 | 1,900 | 0.92 |
極東証券株式会社 | 1,900 | 0.92 |
合計 | 207,000 | 100 |
事業内容
現在の我が国の携帯電話契約数は国内総人口を上回り、モバイル回線の契約は飽和状態に近づいて いると言われています。一方では、固定通信回線の販売への規制緩和やICT(Information and Communication Technology[情報通信技術])とよばれる情報通信技術の進展により、新たなサー ビスニーズが生まれ、今後さらなる市場規模の拡大や成長が期待されております。加えて、海外端末 メーカーの台頭により、国内の端末メーカーにおいてもマーケットシェアの低下が加速し、市場競争 のさらなる激化も見込まれており、このような環境下において、実際にエンドユーザー(消費者)への販売やサービス提供を受託している販売代理店が運営するキャリアショップや、家電量販店の販売現場のスタッフに求められている知識やスキルは、年々高まっております。
このような市場環境の変化の中、次々と市場に投入される多くの複雑な商材やサービスをタイムリーに習得し、エンドユーザー(消費者)に体系的・網羅的に提案することができる販売スタッフを育成するニーズが高まると同時に、 そのような優秀な販売スタッフの育成が、販売現場における喫緊の課題となっております。
当社は、これらの販売現場における課題に対して、店舗責任者や販売スタッフへの直接的なトレーニング(OJT)を行うなどの店舗運営に係るコンサルティングや販売支援を行っております。また、 当社が培ってきたセールススキルや販売ノウハウを基に、店舗における業務効率の向上やエンドユーザー(消費者)への販売意欲の向上を目的とした動画コンテンツやアプリケーションなどのデジタルツールの作成・提供を行なっております。(目論見書より引用)
一瞬、5G関連銘柄であるかのように思いましたが、ドコモショップなどの携帯ショップのコンサルティング事業を展開しているだけのようです。
事業セグメントはコンサルティング事業のみであり、すこしアナログ的な印象を受けます。
また、全体の売上高の構成を確認してみると、NTTドコモが大部分を占めており、依存していることがわかります。
【NTTドコモが売上高全体に占める割合】
第16期(2017年9月30日)69.8%
第17期(2018年9月30日)60.0%
第18期(2019年3月31日)54.7%
※第18期は2四半期累計の数字
徐々に減少傾向にあるものの、しばらくの間、40~50%程度はドコモからの売上という状態が続きそうです。
通信代理店の抱える人材育成などに関する悩みは、ある程度ニーズがあると見られ、売上・利益ともに毎年増収増益となっていますが、専業のコンサルティングという分野は、ある程度の規模で限界に達しそうな事業でもあります。
コンサルティングの利益率をさらに押し上げるような、通信や5G関連事業に投資していけると、かなり魅力的な銘柄になるかもしれません。
株主関連データ
180日間のロックアップが満遍なくかかっていますので、上場後の大量の売り注文はないかと思います。
ストックオプションの行使期間が、2019年7月1日〜行使可能となっているものがありますので、その日以降は売り圧力が発生することが予想されます。
大株主&ロックアップ
氏名 | 株数(株) | 比率(%) | ロックアップ |
---|---|---|---|
株式会社3-SHINE | 1,200,000 | 54.71 | 180日 |
桑野 隆司 | 304,500 | 13.88 | 180日 |
吉井 雅己 | 60,000 | 2.74 | 180日 |
井之坂 亮之 | 60,000 | 2.74 | 180日 |
二階堂 京介 | 60,000 | 2.74 | 180日 |
堂前 晋平 | 45,000 | 2.05 | 180日 |
立石 公彦 | 39,000 | 1.78 | 180日 |
植村 亮仁 | 31,500 | 1.44 | 180日 |
細木 祐孝 | 31,500 | 1.44 | - |
株式会社コスモヒューマンズ | 30,000 | 1.37 | 180日 |
その他 | 331,800 | 15.11 | - |
合計 | 2,193,300 | 100 |
ストックオプション
株数(株) | 上場行使(株) | 行使価格 | 行使期間 | |
---|---|---|---|---|
第1回 | 111,300 | 111,300 | 167円 | 2019年7月1日 |
2022年6月30日 | ||||
第2回 | 58,800 | 0 | 337円 | 2020年1月1日 |
2023年4月30日 | ||||
第3回 | 55,200 | 0 | 334円 | 2019年7月1日 |
2022年6月30日 | ||||
合計 | 225,300 | 111,300 | - | - |
業績推移
業績ハイライト
決算期 | 2015年3月 | 2015年9月 | 2016年9月 | 2017年9月 | 2018年9月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 663,272 | 383,522 | 1,452,737 | 1,873,579 | 1,994,606 |
経常利益 | 78,480 | 51,948 | 183,635 | 303,022 | 413,955 |
当期純利益 | 49,050 | 28,546 | 129,053 | 203,077 | 266,272 |
純資産 | 139,202 | 172,748 | 349,819 | 554,146 | 860,756 |
ROE | 44.7 | 18.3 | 49.4 | 44.9 | 37.6 |
BPS | 105.46 | 126.28 | 189.30 | 299.86 | 437.28 |
EPS | 38.01 | 21.62 | 86.32 | 109.89 | 140.59 |
初値予想
吸収金額16億円で、マザーズの中型規模IPOですが、業績が安定しており、割安感がありますので、公募割れはしないでしょう。
値がさ株であるものの、SMBC日興証券が主幹事であるため、上場時の売り圧力が弱い傾向があり、初値はある程度上がる可能性が高いです。
しかし業態が少しアナログな上、専業のコンサルティング事業という点では、規模の限界も見えるため、クラウド系の人気化するIPOとは異なります。
ロックアップ解除条項がないとは言え、上場後すぐにストックオプションの行使期間に入ることを踏まえると、長期的な株価が成長するかどうかは疑問が残ります。
5,800 〜 6,300円