IPO Sansan(4443)初値予想

Sansan(4443)の上場が承認されました。

前から上場が噂されていたIPOではありますが、この6月の過密スケジュールの中での上場は予想外でした。

マザーズとしてはかなり規模が大きいIPOとなりますが、初値はどうなるのでしょうか。

Sansanは申し込むべきIPOであるか、スルーすべきなのか、初値予想も含めて細かく見ていきます。

基本データ

会社概要

会社名Sansan株式会社
市場東証マザーズ
URLhttps://jp.corp-sansan.com/
設立2007年6月11日

上場スケジュール

仮条件決定日5月30日(木)
ブックビルディング6月3日(月)~6月6日(木)
当選者発表6月7日(金)
申込期間6月11日(火)~6月14日(金)
上場日6月19日(水)

価格&マーケット

想定価格4,075円
仮条件未定
公募価格未定
吸収金額351億9,000万円
時価総額1,199億4,000万円

株式関連データ

当選株数

発行済株総数29,932,353株
公募株数500,000株
売出株数7,010,000株
OA売出1,126,500株
合計当選株数8,636,500株

引受証券会社

証券会社株数(株)比率(%)
野村證券株式会社未定未定
SMBC日興証券株式会社未定未定
大和証券未定未定
みずほ証券未定未定
株式会社SBI証券未定未定
三菱UFJモルガン・スタンレー証券未定未定
楽天証券未定未定
マネックス証券未定未定
極東証券未定未定
合計未定

事業内容

当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げ、「クラウドソフトウェア」に「テクノロジーと人力による名刺データ化の仕組み」を組み合わせた新しい手法を軸に、名刺管理をはじめとした企業やビジネスパーソンが抱える さまざまな課題の解決につながるサービスを展開しています。具体的には、名刺をデータ化し、人と人のつながりを情報として可視化・共有できる、法人向けクラウド名刺管理サービス「 Sansan 」を展開するSansan事業と、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの仕組みを取り入れ、名刺をビジネスのつながりに変える名刺アプリ「Eight」を展開するEight事業を運営しています。また、両事業共通の基盤として、名刺のデータ化等をデータ統括部門「DSOC(Data Strategy & Operation Center)」が担っており、新技術の開発とデータ入力オペレーションの改善を追求し続けています。(Sansan 目論見書より引用)

Sansan事業

名刺のCMで有名なので、知っている方も多いかと思います。クライアントの企業は、名刺をスキャンするだけで、クラウド上にデータ化されて、名刺管理をすることが出来ます。

今までは個人単位で管理していた名刺を、組織内で名刺の共有をすることで、新しいビジネスチャンスが得られたり、クライアント企業の業務の生産性向上に繋がるとしています。

名刺管理をする事務処理の手間を効率化出来るので、コスト削減にも繋がるかもしれません。

契約件数は5,738件(2018年5月期第三四半期末時点)と、想像していたよりかなり少ないですが、市場シェア(名刺管理)は80%以上となっているため、この分野のパイオニア企業でしょう。

Eight事業

Sansan事業と似ていて、交換した名刺をスキャンすると、クラウド上にデータ化されます。登録した名刺情報は、スマートフォンやパソコンから、アクセス可能となりますので、出先で確認することも可能です。

また、名刺でつながった相手の役職などが変更された場合は、登録した名刺情報が自動的に最新の状態に更新され、通知が届く仕様です。

ビジネスチャットが送り合えるメッセージ機能もあり、気になっている企業の情報を集めたり、転職活動などにも活用することも可能です。

個人単位では、Eightプレミアムという課金制度があるものの、事業全体でのマネタイズは出来ていないため、法人単位での課金制度を進めて行くという方針です。

クラウド上での名刺管理ではトップのシェアを占めていますが、CMのイメージが先行していて、投資家に事業そのものの魅力が伝わっていない部分も多いような気がします。

株主関連データ

ベンチャーキャピタル(VC)は、ロックアップが1.5倍で解除されますので、セカンダリーでは注意が必要です。

ストックオプションの未行使も相当な株数です。潜在的な株数がかなり多いので、将来的に売り圧力が加速する可能性が高いです。

大株主&ロックアップ

氏名株数(株)比率(%)ロックアップ
寺田 親弘10,920,00035.990日
DCM Ventures China Fund(DCM VII), L.P.2,030,0006.6790日or1.5倍
株式会社INCJ1,740,0005.72
株式会社SMBC信託銀行1,710,0005.62
Sansan従業員持株会1,470,0004.83180日
ジー・エス・グロース・インベストメント合同会社1,300,0004.27
A-Fund, L.P.1,280,0004.2190日or1.5倍
富岡 圭1,050,0003.4590日
ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合900,0002.9690日or1.5倍
EEIクリーンテック投資事業有限責任組合690,0002.2790日or1.5倍
塩見 賢治620,0002.0490日
その他6,708,99422.06
合計30,418,994100

ストックオプション

 株数(株)上場行使(株)行使価格行使期間
第1回80,00080,00060円2015年1月6日
2022年8月28日
第2回45,00001,795円2020年6月1日
2028年6月1日
第3回327,03003,400円2021年2月1日
2029年1月8日
第4回534,61103,417円2020年9月1日
2029年1月30日
合計986,64180,000--

業績推移

業績ハイライト

決算期2014年5月2015年5月2016年5月2017年5月2018年5月
売上高1,289,3731,963,6163,150,8714,834,2937,318,337
経常利益△572,782△1,075,321△1,362,593△657,793△3,022,373
当期純利益△582,329△1,083,064△1,368,063△667,864△3,294,661
純資産1,520,331437,2661,053,230385,3651,312,501
ROE
BPS2.9△50.19△117.26△149.99△311.50
EPS△29.04△56.67△72.83△41.18△178.68

初値予想

クラウドでの名刺管理のパイオニア的な企業で、知名度が高い企業のIPOということで、注目を集めることとなりそうです。

しかしとにかく、マイナス要素が多いIPOで、公募割れする可能性が相当高いので、基本的にはスルーすべきでしょう。

一応、クラウド関連のIPOとなりますが、マザーズでこの吸収金額ではかなり厳しいスタートとなりますし、公募による新株発行がほぼ無く、売出がほとんどであるため、上場ゴールのようにも解釈できます。

黒字決算ならまだしも、赤字決算なので、全く価値を見出せないIPOですし、適正な株価を予想しづらいです。しかし、直近のストックオプションの行使価格が3,417円であることから、この辺りの株価まで下がると、買い支えの注文が入るかもしれないです。

3,800 〜 4,000

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