IPOって、本当に抽選してる?

みなさんご存知のように、日本におけるIPOは極めて勝率が高いため、投資家の間では、本来の「株式」というよりも「宝くじ」のような意味合いだと認識されています。

そうなると「抽選は形だけで、お金持ちにだけ配分してる」「何か別の商品を買わないとIPOは貰えない」と考える方も自然と出てきまし、そう言ったことを実際によく聞かれます。

これは当然の疑問ですし、証券会社や担当者としても

「せっかく儲けさせたんだから、何か貢献して欲しい」と思うはずです。

こういった背景があり、落選が続くと「本当に抽選してるのか」と疑いたくなる気持ちもよくわかりますし、

実際には、預かり資産や職業などでフィルターに掛けてるんじゃないか。など色々質問を頂きます。

そういった疑問を解決しないままでいると、モチベーションを維持できないので、いずれIPOの申込みをしなくなるでしょう。

この記事では、そういった疑問に感じてる人向けに、IPO配分の裏側を考えてみようと思います。

 

IPOの配分は不公平

前提として、そもそもIPOの配分は不公平に行われます。

これはいわゆる裁量配分と言われるものです。
実際に、野村證券などの大手証券会社は、IPOの90%は担当者による裁量で当選者が決まりますし、機関投資家(超大口)には一般のお客さんと別に、特別にIPOを用意したりします。

何だか冷たいように感じますが、仕方ないですね。

証券会社もボランティアではありませんし、実際にIPOを引き受けるためには、相当なお金と時間がかかっています。
引き受けたIPOを有効に活用しなければ、IPO業務自体が採算が合わなくなってしまいます。

最近では、小規模な証券会社はIPOの引き受け業務から完全に撤退しているところもあります。

そのため、会社として採算を合わせるために、ある程度IPOの配分が偏るのは仕方ないことですし、これは金融庁も一定のルールに基づいて正式に認めています。

では、小口で取引する投資家はIPOを貰えないのか。そんなこと全くありません。
実際に、多くの投資家の方が当選しています。

ネットでは?

IPOが裁量によって不公平に当選するということはわかって頂けたと思いますが、一方で、ネットで行われる抽選はどうなのか。

これについては、完全に公平に抽選しています。取引実績は関係ありません。

よく考えてみましょう。ここで証券会社が不正をするデメリットが大き過ぎるんです。

万が一、IPOの抽選で不正をしてることがリークされ世間に知られた場合、その証券会社には相当なペナルティが課されます。

金融庁から業務改善命令が出されたり、課徴金の納めなければいけなくなったりするケースもあります。
もしこれだけなら、大手証券会社であればまだ影響は少ないのですが、実はこれだけで済まされません。

金融庁の職員からすれば、「まともに抽選すらしない証券会社が、真っ当な営業活動してるはずがない」と考えます。
そうなると、不正な営業活動がないか、証券会社が徹底的に検査されることになります。

営業員は、その金融庁のヒアリングに対応するわけですから、支店の売り上げも立たなくなります。

他にも挙げればキリがありませんが、このように会社の経営にまで支障が出てきますので、証券会社のIPOの抽選における不正はまず無いと確信できます。

 

当選しない原因は?

「それにしても全然当たらないんですが」
こんなこと言われることもありますが、それは運です…笑

しかし、その前に準備が足らない場合もあります。IPOの申込方法は、証券会社によっていくつかの選択肢があります。

その申込方法によって、当選確率はかなり変わりますから、もしかしたら一番可能性の低い申込み方をしているかもしれません。

また、こっそり配分ルールが変更されたりすることもありますので、家族口座など複数で申し込み続けても全く当選しないなどの場合は、一度その証券会社の配分ルールについて確認してみると良いでしょう。

さいごに

IPOで重要なのは、長く申込み続けることです。
疑問を持たず、落選しても無心で申込み続けましょう。

冒頭でも書きましたが、近年の日本においてはIPOはほとんど宝くじです。
抽選の度に一喜一憂することなく、宝くじ同様に外れて当たり前と割り切っておきましょう。

 

 

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